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多職種のハーモニーで、患者様を支えたい。
多彩な専門性で目指す『理想のケア』の実現病院の役割は「患者様を支え、地域にお帰しする」ことであり、
そのために多職種が連携し働いています。
看護師、理学療法士、医師の3職種に
各職種視点での『理想の支援』と
働き方について語っていただきました。
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医師
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看護師
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セラピスト
多様な人材が活躍できる場所とは?
すべての職種が、すべての職種をリスペクトする。
その職種にしかできない役割があると理解する。
そんな視点が共有され、フラットにコミュニケーションする現場でこそ多様な人材が輝ける、
私たちはそう信じています。
多職種連携が生むリハビリの未来: 医師・看護師・セラピストのクロストーク
医師、看護師、セラピストが集まり、リハビリテーションにおける多職種連携の重要性を語り合います。それぞれの専門性を活かし、患者様に最適なケアを提供するための取り組みや経験を共有。コミュニケーションの向上や、職種を超えた協力の意義について深く掘り下げていきます。
多職種が一丸となることで、リハビリの現場はどのように変わるのか、今後の展望を探ります。
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みらいリハビリテーション病院でのそれぞれの役割を教えてください。
セラピスト:私はリハビリテーション部の科長として、職員が働きやすくなるように取り組むことがいちばんの役割です。皆とコミュニケーションを取り、業務や就労環境の改善に取り組んでいます。 また、病院全体の中で、リハビリテーション部こそが担わなければならない役割・機能があります。それを果たすことができるよう、チーム医療の推進や職員の健康維持などに取り組むのも、私のつとめのひとつです。
医師:私がいるのは医療療養病棟、おもに高齢者で慢性疾患があり、長期療養が必要な患者さんの治療・ケアを行う病棟におります。その中でも、地域包括ケア病床で、がん患者さんを多く診ています。 手術や抗がん剤治療後の患者さんで、なかなか思うように体調が上向かない方々には、自宅復帰に向けたがんハビリテーションや栄養管理を提供していきます。また、積極的治療よりも緩和医療を中心とする時期の患者さんについても、在宅をはじめ地域で過ごしたいという希望に添えるよう、適切な疼痛管理やリハビリ、栄養管理の提案を行っています。
看護師:私たちの役割は、急性期を脱した患者様がリハビリテーションを経て、地域・社会へ戻られるための支援をすることです。 回復期病棟では、療養生活の中で患者様のADLを最大限に向上させられるように、日常生活に密着したリハビリテーションを実施します。患者様がセラピストのリハビリのもとで「できること」を、やがては病棟生活のなかで「していること」に、さらに日常当たり前にできる・していることにしていくために、全スタッフで取り組みます。
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それぞれ専門性が異なるなか、他の職種とはどのように連携していますか。
医師:必要な治療・ケアを提供するためには、看護師、MSW、管理栄養士、リハビリ関係者との協働が重要です。ですから、逐次カンファレンスや電子カルテ内で情報共有をはかっています。特にがん患者さんの思いや希望は、相手により少しずつ話す内容が違いますので、多くの職種でそれを共有し確認することが大事です。その上では、職種それぞれがEvenの関係だと思っています。
セラピスト:私は直接リハビリテーションにかかわる立場ですが、リハビリで大切なのは、セラピストの直接的な介入で改善した身体機能をいかに生活に反映できるかです。そのためには、やはり病棟生活に関わる看護師や看護補助のスタッフとの連携が重要になります。 ですので、まずは歩行や移乗、トイレ動作など、患者様が何をどんなふうにできるか見ていただき、それをふまえたサポートを実施していただいています。また、寝たきりの患者様のベッド上でのポジショニングや介助方法についても、セラピストからお伝えするようにしています。
看護師:看護師とセラピストは、普段からちょっとしたことでコミュニケーションしますね。
セラピスト:はい、リハビリは本来チーム医療ですから。セラピストからの一方通行の情報伝達にならないよう、日々のコミュニケーションやカンファレンスを大事にしています。
看護師:セラピストとの協力は大切な役割のひとつです。看護師は患者様の病棟生活に触れますから。 それから看護師は、そもそもが多職種やかかわる人々の調整役です。コメディカルはもちろん、ご家族様や地域におけるキーパーソンなど様々な職者や立場の人々の中心に立って、患者様とそれを取り巻く様々な人々が意志を共有し、連携できるようにするのです。これによって皆が最大限の力を発揮できれば、患者様が地域・社会に復帰する力をより引き出すことが可能です。つまり看護師の調整力は、患者様の回復そのものに影響することもあるわけで、その意味では、とてもやりがいがある立場だと思っています。
やりがいという言葉が出ましたが、皆さんそれぞれのやりがいはどのようなものですか。
看護師:患者様が、入院時よりできることが増えて、ご自身の目指した姿で退院されるときがいちばん嬉しいです。リハビリそのものはセラピストが主軸ですが、その成果を定着させられるどうかは、病棟での私たちの関わりひとつで変わってきます。退院への道標を作ることができて、患者様がそちらに向かって歩んでくださったときは、何物にも代えがたいやりがいを感じます。
セラピスト:私も、入院されている患者様が良くなったり、笑顔で退院の日を迎えられたりしたときにやりがいを感じます。また、今のセラピストの業務は、訪問リハビリや介護予防としての地域リハビリテーション支援事業への参加など、退院後の生活の場にも広がっています。セラピストであることで社会に貢献できていると強く感じますし、リハビリ関係の学会や研修会などで得たものを患者様や職場へ還元できたときにも、誇らしく思います。
医師:私の場合、人生の終末に向かっていく患者様を診ることが多いので、残念ながら、完治して社会に戻られる場面に立ち会うことはほとんどありません。ですが、残されたご家族が私どもの姿勢を理解してくださり、時に感謝の言葉をくださったり、患者様のベッドサイドに伺ったときに、患者様がこちらの手を握って「ありがとう」と言ってくださる場面があります。小さな一コマかもしれませんが、そんなときには、逆にこちらが力をもらっている気がしますし、励みにもなります。
みらいリハビリテーション病院で働く魅力とはなんでしょう?
セラピスト:当院は新病院ですから、当然ですが施設が新しく、機器も最新・最先端のものが揃っています。セラピストとしては、やはりそうしたハード面の充実を魅力としてアピールしたいです。もちろん、そうしたハード面を使いこなせるようスキルアップすることが大切ですので、私自身もまだまだ努力していきたいと思っています。
看護師:リハビリテーション技術の進化は目覚ましいので、回復期病棟でも、それに見合った病棟運営を目指しています。新しい病院だからこそ、看護のありかたもこうと決まったものではなく、創意工夫しながら進化・変化させていける余地がある。そこが最大の魅力だと思います。
医師:今、新規開院するということは、現在まで積み重ねられてきた技術や理論の最先端をスタートラインに取り揃えたうえで、さらに先へ向かうということです。この環境に、それぞれキャリアや経験を積んできたスタッフが集まるわけですから、私は明るい未来しか感じません。最先端の環境で自身の力を活かし、多職種で協力しながら患者さんを診ていけるところに魅力があると思います。
セラピスト:街中にある病院ですので、個人的にはアフター5の楽しみも魅力だと思います(笑)。
みらいリハビリテーション病院のスタートメンバーとして、決意やメッセージをお願いします!
セラピスト:新病院のオープンは一生に一度立ち会えるかどうかの機会です。不安はありますが、私が大切する「3つのC(Chance・Challenge・Change)」――オープンという機会(Chance)に積極的に挑戦(Challenge)し、自分自身や職員、そして患者様をより良く変化させる(Change)ということを、実現できるように頑張りたいと思います。
医師:リハビリというと脳卒中や整形外科的疾患の術後に行うものとイメージされることが多いですが、がんリハビリテーションは近年注目が高まる分野です。 がんの治療成績向上に伴い、がん闘病後に社会復帰を目指す患者様は今後ますます増えていくことと思います。私はがん慢性期の方々のつらさや痛みを取り除き、社会復帰を図ることに注力していくことで、病院の未来を開いていきたいですね。
看護師:新しい環境、新たな取り組み、先進的な考え方。地域の未来を見据えた、未来につながる病院になると思うとワクワクします! この先メンバーの一員となる方とも、一緒に「みらい」を作っていけたらなと思います。